インストール
CakePHP は Composer を使ってインストールします。 最小構成で必要なものは、ウェブサーバと PHP、Composer です。 このマニュアルでは主に(最も一般的である) Apache でのセットアップに主眼を置いていますが、 CakePHP を nginx や lighttpd、Microsoft IIS のような様々なウェブサーバで走らせるよう設定することもできます。
このページでは、まず既存の CakePHP 2 アプリケーションをこのフォークに移行する方法を、 次に新しいアプリケーションを作成する方法を説明します。CakePHP 2.10 からの変更点の概要は はじめに を参照してください。
WARNING
CakePHP 2 は既存アプリケーションの保守のためのものです。 新しくプロジェクトを始める場合は CakePHP 5 を使ってください。
システム要件
- HTTPサーバー。例: Apache。mod_rewriteが推奨されますが、必須ではありません。
- PHP 8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5
- Composer
技術的にはデータベースエンジンは必ずしも必要ではありませんが、ほとんどのアプリケーションはこれを活用することが想像できます。 CakePHPは種々のデータベース・ストレージのエンジンをサポートしています。
- MySQL 5.6、5.7、8.0 以上 (
pdo_mysql) - PostgreSQL 9.4 以上 (
pdo_pgsql) - SQLite 3 (
pdo_sqlite) - Microsoft SQL Server 2022 以上 (
pdo_sqlsrv)
NOTE
組み込みのドライバは全てPDOを必要とします。 正しいPDO拡張モジュールがインストールされているか必ず確かめてください。
CakePHP は次の PHP 拡張モジュールも使用します。
mbstringは強く推奨します。無い場合は Symfony の polyfill が使われます。 polyfill にはmb_encode_mimeheader()が無いため、CakeEmailはメールヘッダーのエンコードにMultibyte::mimeEncode()を使います。intlは必須です。CakePHP は、非推奨となったstrftime()の代わりに日付の書式化を行うphp81_bc/strftimeに依存しており、このパッケージがintlを必要とします。opensslは任意ですが、SSL/TLS 接続と Security による AES 暗号化には必要です。
Piece of Cake 2 fork
PHP 8.0 以上が必要です。CakePHP は Composer の オートローダーからのみ読み込まれます (CAKE_CORE_INCLUDE_PATH や include_path による設定は廃止されました)。 フォークは CakePHP 2.10.24 をベースにしています。それより古い 2.x を使っている場合は、 アップグレードガイド に従い、先に PHP 7.4 上で cakephp/cakephp 2.10.24 に上げてください。
ライセンス
CakePHPはMIT Licenseの元にライセンスされています。 これは著作権(copyright)の提示が全く改変されていない状態で残されているという条件の元で、ソースコードを自由に更新、配布、再公開できることを意味します。 また、自由にCakePHPを宣伝やクローズソースのアプリケーションに組み込むこともできます。
Composer のインストール
Composer をまだ入れていない場合は、公式の Composer ドキュメント に従ってインストールしてください。Windows では Composer の Windows インストーラ を使えます。 このマニュアルの例では、composer コマンドに PATH が通っているものとします。
既存のアプリケーションへの導入
Composer で cakephp/cakephp を使っているアプリケーションでは、composer.json の require にある cakephp/cakephp を pieceofcake2/cakephp に置き換えます。 また、composer.json の設定 で説明する config と extra の設定が無ければ追加します。 そのうえで composer update を実行します。pieceofcake2/cakephp は cakephp/cakephp を 置き換える (replace する) パッケージとして宣言されているので、cakephp/cakephp 2.x に依存する プラグインやパッケージもそのままインストールでき、動作します。両方のパッケージを同時に require しないでください。
CakePHP は Composer のオートローダーからのみ読み込まれるため、アプリケーションのディスパッチャファイル (index.php、test.php、コンソールの cake スクリプト) を新しいものに置き換える必要があります。
モダンな構成のアプリケーションでは、pieceofcake2/app スケルトンから config/define.php、bin/cake、webroot/index.php、webroot/test.php をコピーします。
従来の app/ 構成のアプリケーションでは、アプリケーションのテンプレートを含む Bake プラグインをインストールし、 そこからディスパッチャファイルをコピーします。
composer require --dev pieceofcake2/bake
cp app/Plugin/Bake/Console/Templates/skel/webroot/index.php app/webroot/index.php
cp app/Plugin/Bake/Console/Templates/skel/webroot/test.php app/webroot/test.php
cp app/Plugin/Bake/Console/Templates/skel/Console/cake app/Console/cake
chmod +x app/Console/cake
# Windows 用バッチファイルと PHP ラッパーは使われなくなりました
rm -f app/Console/cake.bat app/Console/cake.php従来の構成では、composer.json の設定 にある installer-paths によって、 Composer が CakePHP のプラグインを app/Plugin/ にインストールします。
従来の構成のアプリケーションは、あとからディレクトリ単位で少しずつモダンな構成に移行できます。 2 つの構成の対応関係は CakePHP のフォルダ構造 を、 CakePHP 2.10.24 からのその他の変更点は アップグレードガイド を参照してください。
新しいアプリケーションの作成
アプリケーションのスケルトンは pieceofcake2/app パッケージとして提供されています。Composer の create-project コマンドで新しいアプリケーションを作成します。
composer create-project pieceofcake2/app my_appmy_app ディレクトリが作られ、CakePHP (pieceofcake2/cakephp) が vendor/ にインストールされます。 開発用の依存パッケージとして Bake と DebugKit プラグインもインストールされます。 スケルトンのディレクトリ構成は次のとおりです。
my_app/
bin/cake コンソール
config/ 設定ファイル
logs/ ログファイル
plugins/ Composer でインストールしたプラグイン
resources/locales/ 翻訳ファイル
src/ コントローラ、モデル、ヘルパー、シェル
templates/ ビューテンプレート、レイアウト、エレメント
tests/ テストとフィクスチャ
tmp/ キャッシュ、セッション
vendor/ CakePHP を含む Composer パッケージ
webroot/ ドキュメントルート詳しくは CakePHP のフォルダ構造 を参照してください。
続いて設定を済ませます。
config/database.php.defaultをconfig/database.phpにコピーし、データベースの接続設定を記入します。 データベース設定 を参照してください。config/core.phpのSecurity.saltとSecurity.cipherSeedの値を変更します。 スケルトンに入っている値は誰でも知っているサンプル値なので、実際のアプリケーションでは使わないでください。
ファイルを編集する代わりに、デバッグレベル、セキュリティ用のソルト、データベースの設定を 環境変数でセットすることもできます。開発環境では、config/.env.example を config/.env (またはプロジェクトルートの .env) にコピーして編集します。スケルトンは config/core.php の先頭で このファイルを読み込みます。環境変数 を参照してください。
スケルトンの composer.json には、composer.json の設定 で説明するプラグイン用の設定が すでに含まれています。ファイルを編集するときも、この設定は残しておいてください。
composer.json の設定
CakePHP アプリケーションの最小限の composer.json は次のようになります。
{
"name": "example/my-app",
"type": "project",
"require": {
"php": ">=8.0",
"pieceofcake2/cakephp": "^2.12"
},
"autoload": {
"classmap": ["src/"]
},
"config": {
"allow-plugins": {
"composer/installers": true
}
},
"extra": {
"installer-paths": {
"plugins/{$name}/": ["type:cakephp-plugin"]
}
}
}config と extra の設定は必須です。
- CakePHP 2 のプラグインは
cakephp-pluginタイプの Composer パッケージとして公開されており、 composer/installers パッケージによってインストールされます。installer-pathsの設定により、プラグインはCakePlugin::load()が探すplugins/<Name>/にインストールされます。 この設定が無いとプラグインは別のディレクトリにインストールされ、CakePHP から見つけられません。 - Composer 2.2 以降では、
composer/installersのように Composer プラグインとして動作するパッケージをconfig.allow-pluginsで許可する必要があります。許可していないと Composer は確認を求めるか実行を拒否し、 プラグインがplugins/にインストールされません。
従来の app/ の構成のアプリケーションでは、プラグインを app/Plugin/ にインストールします。
"extra": {
"installer-paths": {
"app/Plugin/{$name}/": ["type:cakephp-plugin"]
}
}CakePHP は src/Plugin/ または app/Plugin/ と、プロジェクト直下の plugins/ からプラグインを探すため、 従来の構成のアプリケーションで plugins/ を使い続けることもできます。
classmap の設定は任意です。src/ にあるアプリケーションのクラスを Composer でオートロードできるようになり、 App::uses() が不要になります。新しいクラスファイルを追加したら composer dump-autoload を実行してください。 クラスを App::uses() で読み込むアプリケーションでは省略できます。 詳しくは 応用インストール を参照してください。
パーミッション
CakePHP は、幾つかの操作のために tmp/ ディレクトリを使用します。 モデルのdescriptionや、ビューのキャッシュ、セッション情報などです。 ログファイルは logs/ に書き込まれます。
従って、tmp/ と logs/ ディレクトリ、およびそのサブディレクトリ全てに、ウェブサーバーのユーザによる書き込み権限があることを確認してください。 従来の構成では、これらは app/tmp/ と app/tmp/logs/ です。
一般的な課題として、これらのディレクトリは、ウェブサーバとコマンドラインユーザの両方で書き込み権限が必要なことがあります。 UNIXシステム上で ウェブサーバユーザとコマンドラインユーザが異なる場合、パーミッションのプロパティ設定を確保するために、あなたのプロジェクト内で一度だけ以下のコマンドを実行してください。
HTTPDUSER=`ps aux | grep -E '[a]pache|[h]ttpd|[_]www|[w]ww-data|[n]ginx' | grep -v root | head -1 | cut -d\ -f1`
setfacl -R -m u:${HTTPDUSER}:rwx tmp logs
setfacl -R -d -m u:${HTTPDUSER}:rwx tmp logs開発用サーバ
アプリケーションを手早く試すには、PHP のビルトインウェブサーバを使うのが簡単です。 server シェルで起動できます。
bin/cake serverこれで http://localhost:8765/ でアプリケーションにアクセスできます。 ポートは -p、ホスト名は -H、ドキュメントルートは -d で変更できます。
Piece of Cake 2 fork
v2.12.3 からデフォルトのポートは 8765 です。それより前のバージョンでは、-p を省略するとポート 80 で待ち受けていました。
WARNING
ビルトインサーバは開発専用です。運用環境では決して使わないでください。
ウェブサーバの設定
運用環境では (開発時でも Apache などのウェブサーバを使う場合は)、ウェブサーバのドキュメントルートを アプリケーションの webroot/ ディレクトリ (従来の構成では app/webroot/) に設定します。 こうするとウェブからアクセスできるのは webroot/ 内のファイルだけになり、設定ファイルやソースコード、 vendor/ はドキュメントルートの外に置かれます。
アプリケーションを /var/www/my_app にインストールした場合、Apache のバーチャルホストは次のようになります。
<VirtualHost *:80>
ServerName www.example.com
DocumentRoot /var/www/my_app/webroot
<Directory /var/www/my_app/webroot>
AllowOverride All
Require all granted
</Directory>
</VirtualHost>webroot/ の .htaccess がすべてのリクエストを index.php に書き換えるので、 mod_rewrite を有効にし、AllowOverride でそれを許可しておく必要があります。 もしウェブサーバが適切に設定されていれば、 http://www.example.com で CakePHP アプリケーションがアクセス可能になっているはずです。
nginx、lighttpd、IIS での設定や mod_rewrite のトラブルシューティングについては URLリライティング を参照してください。 アプリケーションのディレクトリを別の場所に配置したい場合は 応用インストール を参照してください。
公開する前には デプロイ も読んでおいてください。
動作確認
それでは、実際に CakePHP を動作させてみましょう。 アプリケーションの URL、たとえば開発用サーバなら http://localhost:8765/、 あるいは http://www.example.com/ をブラウザで開いてみましょう。 この時点では、CakePHP のデフォルトのホーム画面が表示され、tmp/ ディレクトリに書き込めるか、 キャッシュが動作しているか、データベースに接続できるかが確認できます。
おめでとうございます! アプリケーションが動作しました。 CakePHP 2 を初めて使う場合は、続けて ブログチュートリアル を読んでください。
動きませんか? もし PHP のタイムゾーンに関連するエラーが出るなら、 config/core.php の中のとある一行のコメントを外し、 サーバのタイムゾーンを設定してください。
/**
* Uncomment this line and correct your server timezone to fix
* any date & time related errors.
*/
date_default_timezone_set('UTC');