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このドキュメントは、CakePHP 2.x の PHP 8 対応フォーク pieceofcake2/cakephp のものです。 フォークについて

セッション ​

CakePHP は PHP 標準の session 機能上に、ユーティリティ機能一式と ラッパーを提供します。セッションはリクエストにまたがるユニークユーザーの識別と 各ユーザーごとの永続的データの格納を可能にします。

セッションの設定 ​

セッションの設定は Configure に格納されます。トップレベルの Session キー下に格納され、いくつかのオプションが用意されています:

  • Session.cookie - セッションクッキーの名前を変更します。
  • Session.timeout - CakePHP のセッションハンドラがセッションを破棄するまでの時間を 分 単位で指定します。この値は下記の Session.autoRegenerate に影響を与えます。 これは CakeSession により処理されています。
  • Session.cookieTimeout - 任意のセッション継続時間を 分 単位で指定します。 もしこれが未定義の場合、 Session.timeout の値が使用されます。これは、 セッションクッキーに影響を与え、PHP 自体により処理されています。
  • Session.checkAgent - リクエストごとにユーザーエージェントをチェックするかどうか。 ユーザーエージェントがセッションとマッチしない場合、そのセッションは破棄されます。
  • Session.autoRegenerate - この設定を有効にするとセッションとセッション ID の 自動更新が有効になります。この値はリクエストの継続的な追跡にセッションの Config.countdown の値を使用します。カウントダウンが 0 になると、セッション ID が 再生成されます。これはセキュリティ上の理由でセッション ID を頻繁に変更する場合に有用な オプションです。セッションの再生成が必要なリクエスト数のコントロールは、 CakeSession::$requestCountdown の変更によって可能です。
  • Session.defaults - セッションの設定の基礎としてビルトインのデフォルト設定を使用出来ます。
  • Session.handler - カスタムセッションハンドラーの定義が可能です。コアデータベースと キャッシュセッションハンドラーが使います。このオプションは以前のバージョンの Session.save を置き換えます。詳しくはセッションハンドラーの追加情報をご覧下さい。
  • Session.ini - 追加のセッション ini 設定を config に加えることが出来ます。 これは Session.handler と合わせて以前のバージョンのカスタムセッションハンドリング機能を 置き換えます。
  • Session.cacheLimiter - セッションクッキーで使用するキャッシュ制御ヘッダーを定義できます。 デフォルトは、 must-revalidate です。このオプションは 2.8.0 で追加されました。

CakePHP のデフォルトは、アプリケーションが SSL プロトコル上にある時、 session.cookie_secure が有効 (true) です。SSL と SSL 以外のプロトコルで アプリケーションを動かす場合、セッション消失の問題が発生するかも知れません。 SSL と SSL 以外のドメイン両方でセッションにアクセスする必要がある場合、 これを無効にします:

Configure::write('Session', [
    'defaults' => 'php',
    'ini' => [
        'session.cookie_secure' => false,
    ],
]);

セッションクッキーのパスのデフォルトはアプリケーションのベースパスです (ドキュメントルートで 動かしている場合は /)。これを変更する場合は session.cookie_path ini フラグにアプリケーションのディレクトリパス を指定することが出来ます:

Configure::write('Session', [
    'defaults' => 'php',
    'ini' => [
        'session.cookie_path' => '/app/dir',
    ],
]);

もし、php のデフォルトのセッション設定を使用している場合、session.gc_maxlifetime で タイムアウトの設定を上書きすることができます。デフォルトは、24 分です。 より長いセッションに合わせるために ini 設定を変更してください:

Configure::write('Session', [
    'defaults' => 'php',
    'timeout' => 2160, // 36 hours
    'ini' => [
        'session.gc_maxlifetime' => 129600, // 36 hours
    ],
]);

ビルトインセッションハンドラーと設定 ​

CakePHP にはいくつかビルトインなセッションの設定があります。 これらをセッションの設定の基本として使用するか、完全にカスタマイズした ソリューションを作成するかは自由です。デフォルトを使用する場合、単純に 'defaults' キーに使用したいデフォルト名をセットします。セッション config で宣言をすればサブセッティングだけを上書きすることも出来ます:

Configure::write('Session', [
    'defaults' => 'php',
]);

上記はビルトインの 'php' 設定を使用します。下記のように全てまたは部分的に 設定を上書きすることも出来ます:

Configure::write('Session', [
    'defaults' => 'php',
    'cookie' => 'my_app',
    'timeout' => 4320, //3 days
]);

上記は 'php' 設定のタイムアウトとクッキー名を上書きします。ビルトイン設定は:

  • php - php.ini ファイルの標準設定に沿ってセッションを保存します。
  • cake - セッションをファイルとして tmp/sessions (レガシー構成では app/tmp/sessions) に保存します。PHP 全体のセッションディレクトリではなく、アプリケーションの中に セッションファイルを置きたい場合に便利です。
  • database ビルトインデータベースのセッションを使用します。詳しくは下記をご覧下さい。
  • cache - ビルトインキャッシュのセッションを使用します。詳しくは下記をご覧下さい。

セッションハンドラー ​

セッションハンドラーはセッション config 配列でも定義出来ます。定義するとセッション保存に 使用したいクラスやオブジェクトに様々な session_save_handler の値をマップ可能です。 'handler' の使用には二つの方法があります。一つ目は 6 つの呼び出し可能な (callable) 配列を 一つ用意する方法です。これは都度 session_set_save_handler に適用されます:

Configure::write('Session', [
    'checkAgent' => false,
    'cookie' => 'my_cookie',
    'timeout' => 600,
    'handler' => [
        ['Foo', 'open'],
        ['Foo', 'close'],
        ['Foo', 'read'],
        ['Foo', 'write'],
        ['Foo', 'destroy'],
        ['Foo', 'gc'],
    ],
    'ini' => [
        'session.cookie_secure' => 1,
        'session.use_trans_sid' => 0,
    ],
]);

この形式は session_set_save_handler() にそのまま渡されます。この関数に callable を 個別に渡す形式は PHP 8.4 で非推奨になったので、新しく書くコードでは二つ目の方法を使ってください。

二つ目の方法は 'engine' キーを定義することです。このキーは CakeSessionHandlerInterface を実装するクラス名にするべきです。 このインターフェースを実装すると CakeSession がハンドラーのメソッドを自動で マップすることを可能にします。コアのキャッシュとデータベースのセッション ハンドラー両方はこの方法でセッション保存を行います。ハンドラーの 追加設定はハンドラーの配列内に置いてください。そうすることで ハンドラーの内部からこれらの値を読み込めるようになります。

またプラグイン内部からセッションハンドラーを使用することも出来ます。 エンジンを MyPlugin.PluginSessionHandler といった形で設定します。 これはアプリケーションの MyPlugin 内部から PluginSessionHandler クラスを 読み込み使用します。

CakeSessionHandlerInterface ​

このインターフェースは CakePHP 内部の全カスタムセッションハンドラーで使用されます。 単純にクラス内にインターフェースを実装し Session.handler.engine を作成した クラス名にセットします。クラスは src/Model/Datasource/Session/$classname.php (レガシー構成では app/Model/Datasource/Session/) に置きます。例えば AppSessionHandler というクラス名なら、 src/Model/Datasource/Session/AppSessionHandler.php となります。Composer の classmap で オートロードしている場合は classmap からクラスが見つかり、そうでない場合は CakePHP が このディレクトリから読み込みます。

CakePHP はハンドラーを SessionHandlerAdapter を介して PHP に登録します。このアダプターは session.use_strict_mode にも対応しており、受け取ったセッション ID は、ハンドラーの read() がその ID に対して空でない文字列を返したときだけ受け入れられます。未知の ID に対して read() は '' を返し、一度も書き込まれていないセッションの destroy() は true を返すようにしてください。 コアの CacheSession と DatabaseSession もそのように実装されています。

Piece of Cake 2 fork

セッションハンドラーが、PHP 8.6 でデフォルトで有効になる session.use_strict_mode に対応しました。未知のセッション ID は拒否されて新しい ID が発行されるので、 未知の ID に対して read() が空でない値を返したり、destroy() が失敗したりする独自ハンドラーは 修正が必要です。

データーベースセッション ​

セッションの設定方法の変更はデータベースセッションの定義の仕方も 変更しました。ここではデータベースのデフォルトを選ぶように、ほとんどは 設定の中の Session.handler.model をセットするだけです:

Configure::write('Session', [
    'defaults' => 'database',
    'handler' => [
        'model' => 'CustomSession',
    ],
]);

上記は CakeSession にビルトインの 'database' 設定を使用するように伝え、 CustomSession というモデルにデータベースへのセッション情報の保存を任せます。

完全に独自のセッションハンドラーは必要ないけれど、データベースのセッションストレージが 必要な場合、以下のコードのように単純化できます。

Configure::write('Session', [
    'defaults' => 'database',
]);

この設定では、少なくとも以下の項目を持つデータベーステーブルが必要です。

CREATE TABLE `cake_sessions` (
  `id` varchar(255) NOT NULL DEFAULT '',
  `data` text,
  `expires` int(11) DEFAULT NULL,
  PRIMARY KEY (`id`)
);

アプリケーションのスケルトンに含まれているスキーマファイル config/Schema/sessions.php を元に schema シェルを実行して、このテーブルを作成することもできます。

$ bin/cake schema create sessions

キャッシュセッション ​

キャッシュクラスはセッションの格納にも使用できます。これにより、APCu、Memcached、 Redis のようなキャッシュにセッションを格納できます。キャッシュセッションの使用には 注意点があります。キャッシュの容量を使い切ると、レコードが追い出されてセッションが 失われ始めます。

セッションを元としたキャッシュを使うためセッション config を以下のように設定します:

Configure::write('Session', [
    'defaults' => 'cache',
    'handler' => [
        'config' => 'session',
    ],
]);

これは CakeSession に CacheSession クラスをセッション保存先として 委任する設定です。'config' キーをキャッシュの設定に使用できます。 デフォルトのキャッシュ設定は 'default' です。

ini ディレクティブの設定 ​

デフォルト設定はセッション用に共通の土台を提供します。必要に応じて 特定の ini フラグを微調整することもあります。 CakePHP ではデフォルト 設定にしろ、カスタム設定にしろ、両者の ini 設定をカスタマイズ 出来ます。セッション設定の ini キーで、個別の設定値を指定 することが可能です。例えば session.gc_divisor のような設定を コントロールするのに使えます:

Configure::write('Session', [
    'defaults' => 'php',
    'ini' => [
        'session.gc_divisor' => 1000,
        'session.cookie_httponly' => true,
    ],
]);

カスタムセッションハンドラーの作成 ​

カスタムセッションハンドラーの作成は CakePHP で容易に出来ます。 この例では、セッションをキャッシュ (APCu) とデータベースの両方に 格納するセッションハンドラーを作成します。APCu の高速な IO を活かしつつ、 キャッシュがいっぱいになってセッションが消えることを心配せずに済みます。

まずカスタムクラスを作成し src/Model/Datasource/Session/ComboSession.php として保存する必要があります。クラスは以下のようになります。

// src/Model/Datasource/Session/ComboSession.php
class ComboSession extends DatabaseSession implements CakeSessionHandlerInterface
{
    public $cacheKey;

    public function __construct()
    {
        $this->cacheKey = Configure::read('Session.handler.cache');
        parent::__construct();
    }

    /**
     * セッションからデータ読み込み
     */
    public function read($id)
    {
        $result = Cache::read($id, $this->cacheKey);
        if ($result) {
            return $result;
        }

        return parent::read($id);
    }

    /**
     * セッションへデータ書き込み
     */
    public function write($id, $data)
    {
        Cache::write($id, $data, $this->cacheKey);

        return parent::write($id, $data);
    }

    /**
     * セッションの破棄
     */
    public function destroy($id)
    {
        Cache::delete($id, $this->cacheKey);

        return parent::destroy($id);
    }

    /**
     * 期限切れセッションの削除
     */
    public function gc($expires = null)
    {
        Cache::gc($this->cacheKey);

        return parent::gc($expires);
    }
}

このクラスはビルトインの DatabaseSession を継承しそのロジックや振る舞いを 重複して定義することを避けています。それぞれのオペレーションを Cache オペレーションでラップします。これで高速なキャッシュからセッションを取得しつつ、 キャッシュ限度の考慮を不要にしています。このセッションハンドラーを使うのもまた簡単です。 config/core.php のセッションブロックを以下のように設定します。

Configure::write('Session', [
    'defaults' => 'database',
    'handler' => [
        'engine' => 'ComboSession',
        'model' => 'Session',
        'cache' => 'apc',
    ],
]);

// apc キャッシュ設定を追加すること (APCu を使います)
Cache::config('apc', ['engine' => 'Apc']);

これでアプリケーションはカスタムセッションハンドラーを使ったセッションデータの読み書きを行います。

class CakeSession

セッションデータの読み込みと書き込み ​

アプリケーション内のコンテキストにより、セッションへのアクセスを提供するクラスが異なります。 コントローラーでは SessionComponent を使用します。 ビューでは SessionHelper を使用します。どこからでも使用可能な CakeSession でセッションにアクセスすることも出来ます。他のインターフェースと同じく、 CakeSession はシンプルな CRUD インターフェースを提供します。

static CakeSession::read($key)

Set::classicExtract() 互換記法を用いてセッションから値を読み込みます:

CakeSession::read('Config.language');

static CakeSession::write($key, $value)

$key はドット区切りで $value の書き込み先を指定します:

CakeSession::write('Config.language', 'eng');

static CakeSession::delete($key)

セッションからデータ削除が必要なら削除も可能です:

CakeSession::delete('Config.language');

コントローラーとビューからのセッションデータへのアクセス方法については、 セッション と SessionHelper を合わせてご覧下さい。

Based on the CakePHP Cookbook. Content licensed under CC BY-NC-SA 4.0. Not affiliated with the Cake Software Foundation.